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トップ > 日記・時事・業界 > 著作権のお話 その4 肖像権と表現の自由
2015/09/14 Mon 23:44 ブログ | ブログ | 日記・時事・業界

●今回のテーマは「他人を『撮』ったらどうなるか」

当サイトとしては異色の連載となっております著作権シリーズ、もうちょっとだけ続きます。 準備号「オリジナリティとアイデア」で、独創性や発想の持ち方について引用紹介いたしました。 第一回「著作物と著作者」で、そもそも著作物・著作者って何よ、ということを書きました。 第二回「著作権と著作者人格権」で、著作権って耳にするけど具体的には何なのか、ということを書きました。 第三回と「許諾の必要性」で、著作物、特にBGMの利用にまつわる現状を書きました。 今回は、「他人を撮る」という行為について触れていきます。 というわけで、さて皆様、 この写真の著作権は撮影した私にあります。では、肖像権の所在はどこにあるでしょうか? 被写体を所有している私でしょうか? 被写体を政策発売しているコトブキヤでしょうか? 元キャラの版権を所有する(と思われる)バンダイナムコでしょうか? 正解はCMの後! EM123243 (CMのつもり) (CMのつもり) ※真面目な話、これらの動画に「著作権者からの申し立て」は無い(から公開されている)わけですし、今後もきっと無いものと思われます。  こういう歴史に残る映像素材はYouTubeに限らず、このように人の目に触れる形でどんどんアーカイブされていけばいいなと思いますね。  まあ今回はこの話はいいです。本編に進みます。

●街で承諾なく他人を写真に収めるのは犯罪か?

私の、と言うか当ブログの主な撮影テーマは「街撮り」です。 街撮りですから、どうしても通行人は写り込みますし、撮る側である私としてもその事を多少でも計算に入れます。 それはつまり「通行人が写真に入ることを前提として撮っている」ということを意味します。 今回のテーマのひとつは、そういう撮影が法律的にどうなのか、ということです。 P9990546

・肖像権とは何ぞや

「肖像権」とは、「他人が自分の姿を記録し、または公表し、または利用すること」を拒絶する権利のことです。 その特徴から、ほぼ「写真・映像」にまつわると考えて間違いありません。 ですので、当ブログのこの一連のシリーズで言及することも必然と言えるでしょう。 例によって肖像権にも「人格権」と「財産権」という考え方があります。 人格権というのはプライバシー権とも言いますかね、プライバシーを他人に暴かれない権利です。 財産権というのはパブリシティ権とも言いますかね、その人物が写った写真で商売をする権利です。 財産権の方は、例えばアイドルのブロマイドの海賊版がどうのこうの、みたいな話です。 それはアウトですよね。比較的明白だと思います。 今回は主に人格権の方、プライバシー絡みの話に絞って進めていきます。

・キューポッシュ星井美希の「肖像権」

さて、冒頭のキューポッシュ星井美希の写真ですけれども。 この写真では「肖像権の侵害」は発生しません。 理由は簡単、肖像権を持つ人物が、写っていないからです。 「肖像権は、プライバシー権の一種であり、人間にぶら下がる」というような判例があるそうですよ。 キューポッシュは人間ではありませんので、肖像権は発生しない、ということになります。 まあ、キューポッシュは妖精ですし(笑 余談ですが、キューポッシュの写真を撮ったとしても、それは著作権も侵害しません。 特に「複製権(著作物を複製する権利)」の侵害にはあたりません。 フィギュアの複製とは、あくまでもフィギュアのことを指すのであります。 もっと言えばフィギュアは著作物ですらないらしいのですがその話はいずれまた。

・犯罪になるのかい?

私達が街撮りをして、他人を写真に収めてしまった。往々にしてあることです。 ではそれが即「犯罪行為」なのか? 実はそうではないらしいです。 肖像権という言葉は、実は日本の法律で規定されていません。 ただ、プライバシーを守る権利というのは当然にあるわけで、現代になってはその重要性がどんどん増してきている。 ですから、「肖像権という言葉は無いけれども、複数の法律やら何やらを組み合わせて、合わせ技で判例つけて保証しよう」 というような流れになっているようです。知らんけど。 日本国憲法第13条の「幸福追求権」という考え方が根拠となっているようですが、刑法には規定がありません。 といわけで、「肖像権侵害」という単体では、刑法によって罰せられません。 「犯罪者=刑法で罰せられた者」という定義から考えましても、肖像権侵害だけでは犯罪にはなり得ません。 肖像権を侵害するために不法なことを行なった、としたら、肖像権侵害ではなく不法行為が根拠で捕まるはずです。 ですから、単なる肖像権侵害(ブログの写真を取り下げてくれ云々)は基本的に民事となります。 なお、写真に人が写っていた=ただちに肖像権侵害を意味するものではありません。 具体的には、個人が特定できるような写真を撮られてしまった、その事に対して、撮られた人物が申し立てする権利、 という言い方ができる、かな。 ですので、例えば私のブログの写真にAさんの姿が写り込んでいたとして、 それについて訴えることが出来るのはAさん自身のみ、ということになります。 周囲の「善意の第三者」は、Aさんに「あんたブログに載せられてるよ」と教えてあげることぐらいしかできない、 ということになります。

・表現の自由

じゃあ「肖像権法」とかって法律を作って罰則規定も設けてキッチリやればいいんじゃないの? と思いますよね。しかし日本では、いや、多くの国ではそれが出来ないのです。 民主主義国家においては肖像権より上位に位置する価値観「表現の自由」が立ちはだかっているのであります。 上で書きました憲法第13条でも、 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、 公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。 と、あります。 幸福追求権(≒肖像権)は「公共の福祉に反しない限り」という条件がつけられているのです。 この「公共の福祉」というのが曲者で、私のような法律を読み慣れない者にとっては難解極まります。 人権、つまり個人の権利は無限ではなく、公(おおやけ)との兼ね合いで定められる。 その兼ね合いがつまり「公共の福祉」ということになる、と私は今回色々読んでいて、解釈いたしました。 個人の権利と対立するような概念ですね。言葉だけは知っていましたが、そんなシビアな存在だとは思わなかったな。 「表現の自由は民主主義国家存立の絶対条件であるから、公共の福祉に含まれる」 →「表現の自由(≒公共の福祉) > 肖像権(≒幸福追求権)」としてもおかしくない。 だから肖像権法という法律が出来ないのだろう、と私は解釈いたしました。 法律に詳しい方、特に専門家の方だと嬉しいな、大切なところなのでツッコミあればぜひ!

・迷惑防止条例?

上で書きましたように、「肖像権侵害」自体は罰則を定めて裁くことが、民主主義国家では難しいらしいです。 その代わりですかね、悪質な盗撮等の行為に対しては地方自治体ごとに「迷惑防止条例」で取り締まっている、という現状があります。 条例とは「地方自治体が定める自主的な法律」のことであり、 その存在は国によって保証されていますが、国の法律を越えるような思い罰則を定めることが許されていません。 ですから法律に無いのに「盗撮したら死刑」という迷惑防止条例は、作ることができないということです。 根拠というのかベースというのか、そういう存在は軽犯罪法のようですが、それ以上は法律音痴な私には読解できませんでした。

・犯罪ではないのなら好きに撮っていいのか?

盗撮のような露骨なものは迷惑防止条例で引っ張られるけれども、 街撮りをしていてたまたま写り込むような場合での肖像権侵害自体は犯罪ではない、 という趣旨で、ここまで書いてきました。 伝わり方としても「肖像権侵害はそんなに悪いことではない」という感じになっているかもしれません。 しかし私は、表現の自由を第一にしつつも、それを盾にして権利ばかり主張したいわけではありません。 「肖像権侵害は犯罪にならない、ならどんな撮り方をしてもいいのか?」と、いつでも拡大解釈したがる人はいるもので(笑 私はその立場に与しません。何をやってもいい、とまでは思わない。 肖像権を侵害しないように、というのはもちろん意識しています。限界はあっても。 次項で私個人が意識している具体的な対処方法を挙げます。

・肖像権に配慮しながら撮影する方法とは

上の方で書いたことをまとめますと、 「肖像権侵害というのは、撮られた人間が『プライバシー権を侵害された』と感じた時に発生するものだ」 ということです。 ですから、基本的に(基本的に、ですよ)特定の人物を大写しにするような撮り方をする場合、 その人物がプライバシーを侵害されたと思うことが無いように、なるべく顔を写さないようにしています。 当ブログの写真で「後ろ姿」が多いのは、それが理由です。別にプリケツを撮りたいからではないのですよ!たぶん! もちろん顔が入ってしまうことがゼロではありません。これはもう、私の写欲が暴走したのだとしか言えません、申し訳ない。 ただ、それを「掲載するかしないか」という場合には、周辺状況を大いに勘案します。 例えば「鶯谷を撮り歩いていて、たまたまホテルから出てきたアベックの顔が写ってしまった」なんて写真は、当然ボツです。 また仮に「住宅街で下着を干しているお姉さんが写ってしまった」なんて写真があっても、私ならボツにします。 え?許可を得ればいいじゃん、だって?そんな写真に許可出す人が、そもそも、いますかね?? ですから私は、人のプライバシーが色濃く出る状況の場所では、あまり写真を撮らないようになりました。 私の写真が「清潔な繁華街」や「観光地」のものが多いのは、その結果です。 「銀座や浅草で写真に写り込んでしまう」ってのは、お互い様でしょ?そういう場所でしか、ここしばらく撮っていません。 だからお前の写真はつまんねーんだよ、というご意見もあるでしょう。ですが、私はこれでいいです。 おおっ、言いたいことをひとつ言ってしまったぞ(笑

●今回はこの辺で。

余談になりますがキューポッシュ星井美希の写真の話。 この写真を撮ること自体は著作権の侵害にも肖像権の侵害にも該当しません。シロです。 しかし、その写真を写真集に仕上げて販売する、となると話が変わってきます。 べつの概念「商標権」の侵害となりますから、商標法という法律に従って罰則を喰らいます。 つまり、犯罪者になってしまいますから、気をつけましょうねっ!(ウインクAA略 というわけでまだまだ続きそうです。長いな本当に(笑 また是非お立ち寄りください。よろしくお願いします。 m(_ _)m
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