">
ソニーα・マイクロフォーサーズのデジタル一眼カメラで撮影した動画や写真、初心者向けや撮影現場で使える撮影術や新製品レビューも豊富。クリスマスイルミネーションなど季節ごとの写真も充実しています。読み物としても充実させることを目指しています。
トップ > 日記・時事・業界 > 著作権のお話 その2 著作権と著作者人格権
2015/09/10 Thu 17:04 ブログ | ブログ | 日記・時事・業界

●著作権の話、続編です

前々回で「オリジナリティとアイデア」という話を書き、その流れとして前回から著作権の話を書いています。 今回と、たぶん次回まで続くと思いますが、実はこのシリーズになってアクセス数はダダ下がり、 もともとうちのブログはカメラの話題と写真、特に被写体たる場所の歴史などを扱うサイトですから、 検索などで来訪される方のニーズと違ったんだと思いますが、それでも続けます。 運営側としましては写真ブログを標榜している以上避けて通れない、いつかは触れなくてはならない話題だとは思っておりました。 このシリーズで著作権について勉強し、整理し、再確認し、それを記録に残しておく、なのです! EM163055

●というわけでまたまた用語ごとに書いていきます

毎度ながら前提について書いておきます。 日本の著作権法をベースにしています。また、写真に絞って話を進めます。 著作権法(日本) なお、ここまでに書いてきた用語について、あらためてそれぞれ一言で説明しますと、 著作物…人が思想又は感情を創作的に表現したもの。 著作者…著作物を創作した人。 著作権者…著作者ではないかもしれないけれども著作権持つ人。 アイデア…発想。頭の中などにあって、まだ創作されていない段階のもの。 オリジナリティ…著作物が持つ独創性という要素。 となります。 この記事ではちょこちょこ出てくることになると思います。

★著作権

著作権と一言で申しますが、じつは「著作物に関わる様々な権利の総称」です。 大きく「財産権」と「人格権」に分けられます。もうこの時点で意味が分かりません(笑 ですがめげずに続けます。 著作権(著作財産権)~著作者人格権、の順番で書いていきますね。 一言で申しますと 著作権(著作財産権)…「著作権者の利益」を守るためのもの 著作者人格権…「著作者の思想と名誉」を守るためのもの となります。

・著作権(著作財産権)

私のような法律素人が「著作権」と言う時、こちらを指すことが多いです。 著作物から得られる実利の部分を守るために「著作権者(必ずしも『著作者』とは限らない)」が有するとされる権利ということです。 著作権法によると、以下のように細分化されています。挙げていきます。 写真に関係ある項目は斜字にしています。

 21条 複製権

:著作物の複製(写真で言うと焼き増し、写真集、CD-R化)を行う権利です。

 22条 上演権・演奏権

:コンサートの上演や、そこで演奏する権利です。

 23条 上映権

:映画演劇を上映する権利です。

 24条 口述権

:言葉で出来た著作物を読み上げる権利です。

 25条 展示権

:著作物を展示(写真で言うと、写真展)する権利です。

 26条 頒布権・譲渡権・貸与権

:著作物を広く売っていく(写真で言うと、写真そのものや写真集、デジタルデータを販売する)権利です。

 27条 翻案権

:「楽曲のアレンジ」「小説の映画化」などが念頭に置かれているようですが、 写真の場合でも「広告で使用する際のロゴ追加、モノクロ化、などの改変」が該当しそうです。

 28条二次的著作物に関わる原著作者の権利

:例えばドラゴンボールが実写映画化されても、外国語に翻訳されても、 原著作者の鳥山明の権利が保証されている、ということです。

 譲渡可能

さて、これらの権利なんですけれども、一括なりバラバラなり、譲渡することが可能です。 もしくは契約段階で著作権は(撮影者ではなく)他人のもの、とすることも可能です。 具体的には「企業に雇われたカメラマンが、撮影後納品する場合」ですね。 私は両方の立場を経験したことがありますが、まあ写真は「著作権者」が好き放題する実態があります(笑 これはもう仕方がない、資本主義の歪みであります。変えたければ共産主義革命を起こすしかないですね。

・著作者人格権

これを理解するのに、私はすごく時間がかかりました。 著作者は自身が創作した著作物に対して何らかの思想や感情を込めます。当たり前ですね。 それを尊重しよう、というのが「著作者人格権」なんですけれども、ぶっちゃけ言葉が悪い(笑 言葉の通りだと「著作者の人格の権利」と読めますが、 要するに「著作者の、作品を通じて表されている人格を守る権利」という風に、言葉を解釈してください。 著作権法によると、以下のように分類されています。 すべての権利が写真と関係ありますので、すべて斜字で載せますね。

 18条 公表権

:未公表の著作物(ここでは写真)を、いつ、どのような形で公表(公開、発表)するかを決める権利です。

 19条 氏名表示権

:著作物の公開に際し、著作者名をどのような方法で記載するか自由に決めていい権利です。

 20条 同一性保持権

:著作物に込めた思いを捻じ曲げられることがないよう、著作者自身以外に改変を認めない権利です。

 113条 名誉声望保持権

:このような言葉では著作権法に記載はありませんが、解説サイトに倣って便宜的に併記します。   第6項にて「著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす。」   とあります。   悪意で改変しよう、という意思には毅然とした対応をしていいですよ、ということです。 トータルで見ますと、その意図が伝わってきます。 著作物は著作者の分身も同然、それを赤の他人が好き放題に意図を捻じ曲げて、改変して使うようなことは許さんよ、というわけですね。

 例えば、替え歌

とは言っても、「著作者人格権」という言葉を初めて聞く方には、やはりピンと来ないことと思います。私もそうでした。 ここでJASRACのサイトを採り上げてみます。写真の話からは離れますが、ニュアンスは伝わると思います。 JASRAC 著作者人格権 ここで例示されいるのが「替え歌」です。 もともとの楽曲、その歌詞に込められた思いを無視して、語呂だけで歌詞を書き換えてしまう。 私も含めて日常ちょくちょく行うことですけれども、これは厳密には著作者人格権の侵害、ということになります。

 例えば、フォトモンタージュ

もうひとつだけ、例えを出します。 「ダダイズム」とか「シュルレアリスム」という言葉をご存知の方は多いと思います。 1900年初頭、第一次大戦後あたりかな?ヨーロッパで起こった芸術運動です。 主に詩・絵画で知られていますが、写真分野でもその概念を作品化する技法がありました。 それがフォトモンタージュです。 サルバドール・ダリ、有名なアーチストですね。 その代表作に「記憶の固執」という作品があります。 sd.jpg ニューヨーク近代美術館 記憶の固執 作品解説を色々見ましたが私はどれも納得できるようなできないような、有名なのに掴みどころのない作品です。 一方こちらがWikipediaの「フォトモンタージュの項目」で例示されている作品です。 ーーーーー以下引用ーーーーー

Photomontage (Forggensee Panorama) -2.jpg
"Photomontage (Forggensee Panorama) -2" by Photomontage by: Mmxx (talk / email) この画像は 画像編集 が施されています。原本に対してデジタル的な変更が行われました。 編集内容: ' 編集者: Mmxx. File:Forggensee Panorama SK 0001.jpg - Simon Koopmann File:Ahu Ko te Riku.jpg - Rivi File:Emirates A380 2.JPG - G patkar on en.wikipedia File:Erdfunkstelle Raisting 2.jpg - Richard Bartz File:Statue of Liberty, NY.jpg - William Warby File:Cristo Redentor - Rio.jpg - Sean Vivek Crasto File:Kerala backwater 20080218-11.jpg - Haros File:Moraine Lake 17092005.jpg - Gorgo File:Matterhorn Riffelsee 2005-06-11.jpg - Dirk Beyer File:Mont Saint Michel 2009.JPG - Gustavo.motta File:Sydney opera house side view.jpg - Mfield www.photography.mattfield.com File:Chiang Kai-shek memorial amk.jpg - AngMoKio File:PB050006.JPG - Oreos File:The Earth seen from Apollo 17.jpg - NASA File:Broadway tower edit.jpg - Newton2 on en.wikipedia File:Egeskov Slot spejling Edit 2.jpg - Malene Thyssen - See below.. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.

ーーーーー引用ここまでーーーーー 何となく似てるような気がしませんか?少なくとも系統的に類似性を感じませんでしょうか。 フォトモンタージュとは、上で挙げましたように、様々な写真を素材と見て、それらを切り貼りして作品を作る、コラージュの一種です。 写真ばかりだけではなく、絵画の一部分やイラストなども取り入れて幅を広げることもあるようです。 ダダイズム、あるいはシュルレアリスムといった、ある意味でアナーキズム的な意識の下で用いられる技法であるにもかかわらず、 虚無感からくる体制批判にとどまらず、体制側にも大いに利用されました。 フォトモンタージュには(絵画よりずっと)意思を込めることが容易だったのでしょうね、盛んに宣伝に用いられました。 特に20世紀初頭には政治的な宣伝に用いられたという記録が多く残っています。いわゆるプロパガンダです。 始祖のひとりとして有名なドイツの写真家ジョン・ハートフィールド。 フォトモンタージュを活用して徹底してナチ批判を行い、イギリスに亡命するところまで追い込まれます。 こういう作風です。そりゃ恨まれますわな(笑 jh.jpg 著作権法に従った引用http://www.johnheartfield.com/ この作品を見て、私は日本の別の作家の作品を思い出しました。 マッド・アマノです。 ma.jpg 著作権法に従った引用http://www.parody-times.com/index.html ジョン・ハートフィールドとマッド・アマノとは作風は似ていますが立ち位置は14万8千光年ほども離れているように、 私個人的には思います。 が、ジョン・ハートフィールドは先行者、マッド・アマノは後追いとはいえフォトモンタージュという技法自体は同じですよね。 話がそれますが、私自身はこのフォトモンタージュという手法をアートだとは思いますが「写真表現」には含めたくありません。 現場の写真をそのまま収める方が、性に合いますね。 必要以上に写真を良く見せるレタッチなどと同様、それは写真には本質的に不要のものなのではないか、という考えです。 まあ、余談です。 このフォトモンタージュ、実は著作者人格権をめちゃくちゃ侵害して作ります(笑 そりゃそうですよね、対象がヒトラー総統だろうが安倍総理だろうが、撮影者が込めた意図を捻じ曲げてパロディに転用するのですから。 これ、著作権の話ですからイデオロギー関係ないですよ。菅元総理でも毛沢東主席でもスターリンでも、同じことです。 上のWikipediaからの引用掲載にも、「この写真から使用しています」というのがずらりと並んでいますね。 16枚あるんですけど、それら全ての写真の著作者人格権を踏みにじる形で、作成されているのです。 著作者人格権を守るという見地からしたら、フォトモンタージュはやらない方がいいです。 マッド・アマノについては裁判にもなっていたはずですが今回はそこは調べませんでした。 Wikipedia曰く欧米、特にアメリカの思想では「表現の自由は著作者人格権に勝る」ということでパロディが正当化されているそうですが、 日本ではそこまでのコンセンサスは得られていない、と。 まあ国民性でしょうね。「表現の自由」と言えばなにをやってもいい、とまでは合意は形成されていないように思います。

 著作者人格権は譲渡不可能

著作権(著作財産権)は譲渡可能である、故に「著作者」とは別に「著作権者」が生まれる場合がある、ということをうえで書きました。 著作物を使用して(言い方は悪いですが)商売する権利、を保証するためのものですので、権利の売買はあり得ます。 一方こちらの著作者人格権は、著作者が著作物に込めた思いを守るためにありますので、譲渡という概念がありません。 著作物が生まれた瞬間から著作者に宿り、ずっとそのままです。 これを法律用語で「一身専属」つまり、権利が他社に移転することがないことを表しています。 ただ、その権利行使を留保せよ、という条件をつけることはあるようで。 具体的には前回の記事に出したユニクロのUTme!です。 サービス開始当初は 「ユーザーは、当社及び当社から権利を承継しまたは許諾された者に対して著作者人格権を行使しないことに同意するものとします。」 とあったそうなのです(当時は私自身でその条文を確認しなかった)。 つまり、ユニクロは「改変するかもしれないけども、お前ら文句言うなよ」と言っていたわけです。 であれば前回書いた「ユニクロにはデザインを搾取する意図は無かったのではないか」という私の推測はハズレですね。 良いデザインがあれば、使う気満々だったということです(笑

●今回はこの辺で。

すみません。「著作権(著作財産権)」と「著作者人格権」だけで終わってしまいました。 めちゃめちゃ長くなってしまっていますね。 まだ「言いたかったこと」にたどり着きません。こんなはずではなかった(笑 まあ今回は「著作権と一口に言っても色々あるのだ」ぐらいのことが伝われば私としては充分です。 続きは次回に回します。 また是非お立ち寄りください。よろしくお願いします m(_ _)m
関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly Subscribe with livedoor Reader
Secret

TrackBackURL
→http://dtr2008.blog32.fc2.com/tb.php/1308-e90b0a66