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2014/03/16 Sun 00:00 マイクロフォーサーズ

前回に続き、オリンパス製カメラに搭載されているステキ機能「フォトストーリー」について書きます。
フォトストーリーとは、1枚の写真に仕切りを作って何コマかに分割し、各コマに写真を撮ってはめ込んで行き、
まるで組写真のように物語性を演出するという機能です。って言葉で説明しても全然伝わりませんね(笑)
前回は「良いと思う点」として、その楽しみ方をいくつか箇条書きにしました。
今回は「微妙と思う点」として、この機能で遊ぶ上でのちょっとした問題点を挙げていきます。
が、全体を通じて「フォトストーリーは楽しい、だからぜひ一度お試しいただきたい」というスタンスをとっています。

まずは「フォトストーリー」でどんな写真を撮ることができるのかご覧ください。
浜離宮恩賜庭園の菜の花と梅です。ええい、次回のネタバレも兼ねて掲載だ!
EM120679

どのコマにどんな写真を当てはめていこうか、と考えだすとけっこう奥が深くて、現場で試行錯誤を繰り返してしまいます。
一見するとライトユーザー向けのお気楽機能に見えて実は撮影者に「考えること」をストイックに求めてくる良機能なのですが、
このフォトストーリー、運用するにあたっていくつかの弱点を抱えています。

フォトストーリーの作例がネット上に少ない、検索してもあまりヒットしない…
ということを教えていただき「そういえば私もあまり使っていないなあ」と思いつつ検索してみたのですが確かに少ないですね。
フォトストーリーに関しては「ネット上で作例が少ない = 使用している人が少ない」と短絡的に考えました。
このご時世、しかもメジャーなデジタルガジェットの主要機能のはずなのに、その使用例が少ないならば
それは「使用者数が少ないから、比例する形で少ないのだ」と考えて間違いないと思われます。

私はこの「運用上のいくつかの弱点」こそがネット上で作例を見ることが少ない=使用者が少ないことの原因であると思っています。
以下にそれを挙げます。

●レンズ本来の画角を充分に生かすことができない

東京駅丸の内口、行幸通りから3方向を向いて撮った写真です。
この写真、どのレンズを使用して撮ったか分かりますか?
EM120690

ひとつの写真をいくつかのコマに分割して写真をはめ込んでいきますので、各コマは本来の写真より小さいですよね。
その小さなコマに対してレンズの中心部分だけを使います。
コマが小さいからといってあわせて縮小していたらかえって混乱のもとになり不便ですが、逆に本来の画角は反映されません。
上の作例に使用したレンズは、
・左の大きなコマ =M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
・右上の丸の内駅舎=M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.8
・右下の新丸ビル =M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8
の3本です。コマごとにレンズを交換したということです。
ズーム1本で出かけた時にはコマごとにズームリングを回して画角を変えるだけですので良いとして、
より画角にこだわりを持つ傾向がある単焦点派には「あっしには関わりのねえことでござんす」と思われるかもしれません。

余談ですが、フォトストーリー中は基本的に絞りやシャッタースピードを独自に設定することは出来ないと思っていた方がいいです。
ただし、コマごとに露出補正を受け付けますので明るさに関してはある程度コントロールできます。
機能をシンプルで使いやすくするために最小限の操作だけを残したのでしょうね。

●フォトストーリー中に他の作業を割りこませると最初からやり直しになる

銀座駅にて、乗り入れる3路線の車両をそれぞれ撮影したものです。
EM120689
私としてはこちらが最も厄介だと思っています。
上の「レンズ本来の画角が云々」なんて記事のボリュームを稼ぐためにでっち上げただけで、これに比べれば不満というレベルではない(笑)。

この地下鉄の写真は、
銀座四丁目地下の改札から入って銀座線ホームで電車を待ってまず1枚、
階段を上ってコンコースに戻り、長い地下通路を歩いて次に丸ノ内線ホームに行き電車を待って1枚、
またコンコースに戻って最後に日比谷線に行き電車を待って1枚、と動きまわって撮ったものなのですが、
フォトストーリーはその間に他の動作を挟むと最初からやり直しになるのです。

私の場合は銀座駅の中で行ったり来たりするだけでしたのでまだマシだとも言えます。
例えばこれが東京名所案内!などと構想して「東京駅・渋谷のスクランブル・都庁」でフォトストーリーを作ろうと考えた場合、
それが完成するまで他の操作はできず、電源もONのまま(電源を切ると最初からやり直しに)、延々と移動をする羽目になります。
「あ、ここ良い景色!さっきの風景と合わせてフォトストーリーを作ろっと」と簡単には行かないのです。
基本的に街角スナップは「撮って、先に進み、戻らない」ことが多いですので、フォトストーリーとは相性が悪いのかもしれません。

●アートフィルターと同じ理由で玄人に忌避される

汐留の浜離宮恩賜庭園前の交差点付近で撮りました。
このように「アートフィルター・ラフモノクローム」と組み合わせて撮ることもできます。
EM120684

フォトストーリーは、ライトユーザー向けに「気軽に作品作りができるように」用意された機能なのですけれども、
(メーカーサイトに「何気ない日常のワンシーンを複数の視点で撮影して1つの作品にすることができます。」とあります)
本質的に玄人向けの機能である、と言えると思います。
理由は前回も少し書きましたとおり、「本気で考え始めるとけっこう難しい」点にあります。
また、上に書いた「フォトストーリーを撮っている間は他の撮影ができない」ことを踏まえますと、
ちょっと気軽に、特に旅行先などで使えるだろうか?という疑問も残ります。
ライトユーザーであれば「面白い、だけどちょっと面倒だね」という印象を持つはずです。

ではフォトストーリーはハイアマチュアに受け入れられているか?と考えますとそうでもないわけです。
(もしハイアマチュアが積極的に利用していたら、ネット上にドヤ顔で大量にアップされているはずです(笑))
これも理由が分かる気がします。一言で言えば「玄人ほどカメラ内処理に頼ることをよしとしない風潮」があるからです。
JPEG撮って出しよりもRAW現像が習慣づいていて、アートフィルターをお仕着せと捉えて歯牙にもかけず、
すべて撮影後にPCで調整して自分の意思に沿った作品を緻密に作り上げる。
その考え方で行きますと上の「フォトストーリー+ラフモノクローム」など、邪道の極みであることでしょう(笑)。

玄人はカメラ内加工を嫌い、PCで現像やレタッチを行う習慣がある。
一方でライトユーザーには「考えさせられる機能であるが故に」難しいと避けられてしまう。
ライトユーザー向けに用意したはずなのに実際はマニアックな玄人仕様であるがためにあまり使われず、
しかし玄人には「作品作りの邪道」と見向きもされない。
ねじれ現象の末に双方からそっぽを向かれたのがフォトストーリーの悲劇である、とは言えないでしょうか。

●ただ、それらはすべて言い掛かり

まあ要するに、文句をつけようと思うと何とでも言えるということなのです。(笑)
1番目の「レンズ本来の画角」など、その時限りと割り切れば何とも思いませんし、
2番目の「他の撮影を割りこませられない」など、それを考慮しない撮影機会や方法はいくらでもあります。
3番めの「ライトユーザーとハイアマチュアが云々」なんて、それぞれの気持ちのあり方の問題ですし。
要は「食わず嫌い・使わず批判は論外、ちょっと試して面倒と思ってもそれ以上の楽しさが得られる」面白い機能である、
ということが言いたかったのであります。
E-P5・E-M1・E-M10でこの機能使ったことがない方がいらっしゃいましたら、話のタネにぜひ一度お試しください。
結果「やっぱり自分には合わない」でもいいではありませんか。カメラさえあればタダでできるのですから(笑)
EP550651

フォトストーリー短期集中編はいったんここまでといたします。
この機能を使って撮られた写真がネット上にまだまだ少ない、ということは、
今からガンガン掲載していけば、フォトストーリーマスターとして成り上がることもできますね!
城東一のフォトストーリーマスターになるべく精進することになるかもしれません。

またぜひお立ち寄りください。よろしくお願いします。
m(_ _)m









今回の
撮影機材




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2014/03/15 Sat 03:00 マイクロフォーサーズ
オリンパスのマイクロフォーサーズ機「PEN E-P5」「OM-D E-M1」関連エントリとなります。
今回はお便りからご紹介します。
少し前に掲載した記事にいただいたコメントからの抜粋です。

>話は変わりますが、M1やP5ユーザーの方はフォトストーリーって 
>余り使われてないんでしょうか…。 
>結構、素敵な機能だと思ってるんですが。 
>検索しても余りヒットしないので、是非、てーあいさんに作例を 
>お願いしたく(笑)

コメントありがとうございます。一応ことわっておきますが自作自演ではございません(笑)
そう言えばフォトストーリー、私も最近はあまり使っていません。
試みに「フォトストーリー」で画像検索してみても、オリンパスのこの機能を使用した写真は、
メーカーサイトの紹介作例やカメラ・IT系ポータルの紹介記事にあるものぐらいしかヒットしません。
世間的にも作例が少ないと言うことであれば、それなりの理由があるのでしょうか。
そのあたりを軽く考察しながら、作例を載せてまいります。

その前に。「フォトストーリー」と何か。
こんな写真をカメラ内処理で作るという機能のことです。
EM120687

オリンパスイメージング アートフィルター&フォトストーリー
メーカーサイトに、使い方が分かりやすくイメージできる動画が掲載されていました。


要するに組写真のようなものです。
「組写真」と聞くと、何枚かの写真を並べて見せる、というものを想像してしまうのですが、
このような「1枚の写真に仕切りを入れて分割する」ようなものも大枠で組写真と言って差し支えないだろうと思います。
「複数の写真を『意思を込めて』並べて見る者に訴える」というコンセプト自体は同じですし。
オリンパスはこの機能を2013年から順次新機種に搭載し始めており、
現在はコンパクト機とマイクロフォーサーズ機のそれぞれ上位機種に搭載していて、そう聞くと一見高級機能に思えますが、
新型エントリーモデルOM-D E-M10にも搭載してきましたので今後は搭載機種は拡大するものと思われます。

このフォトストーリーに対しては、使っていると「良いなあと思う点」と「微妙だなあと思う点」をかなりハッキリ認識できます。
今回の記事では「良いなあと思う点」を挙げて、フォトストーリーの魅力を書きます。
次回の記事で「なぜ作例が少ないのか」を考えていきます。
私としては、長所と短所を勘案してもなお、このフォトストーリーは楽しい機能だと思っています。
どうぞお付き合いください。NHKの情報番組みたいな枕ですね。
EM120688

●詰め込む楽しみ

当ブログでも事ある毎に採り上げているコトブキヤの可動フィギュア「キューポッシュシリーズ」を被写体としたものです。
P6280399
フォトストーリーには何種類かのフレームが用意されておりまして、2分割~5分割、その分割の仕方も多岐に渡ります。
ある意味お仕着せのフレームではありますが、自分が目指す「こんなふうに撮りたい」という欲求には充分応えてくれます。
分割されたマス目はそれぞれ小さいものになりますから、それぞれに入れられる被写体も限られたものとなります。
この作例ではそれぞれのマス目を被写体で埋め尽くしました。もちろん写す人や状況によって使い方は変わることもあるでしょう。

●見つける楽しみ

当ブログでもしばしば撮影スポットとしてご紹介している「東京国際フォーラム」で撮ったものです。
EP569910
どこかに撮影に出かけた時などに、その場所や状況がどのようなところだったかを写真に収めることがありますよね。
東京国際フォーラムの特徴を最大限表現するには、どの部分を撮るのが良いだろうか?
分割されているマス目の配置や大きさも踏まえて、見る人の目を誘導するにはどうすればいいのだろうか?
重要なポイントを見つけ出すことに夢中になり、納得できなくて何度も撮り直しすることもあるほどです。
例えば観光地などに出掛けた時などに、フォトストーリーで1枚現地の雰囲気を押さえておくと、
アルバムに良いアクセントができるかもしれませんね。

●紡ぎだす楽しみ

東京駅八重洲口の高速バスターミナルを撮ったものです。工事中の時期に行ったのですが。
EP590120
ストーリー、と言うにはこの写真は少々弱いのですが、それでも「これから長距離バスで何処かへ行く」という雰囲気が出ているはずです。
フォトストーリーという名称には「ストーリー」を描く機能なのだ、という意志が込められているのだろうと推察します。
内容次第ではありますが一般論としても「写真で大切なのはストーリーだ」とも言います。
この写真が何かのストーリーを示しているとは必ずしも言えませんけれども、例えば一人の人物がコマごとに何かをするとか、
そういった形でも見る人に物語性を示すことができる。その感覚はまさしく組写真を作る時にもあるものです。

●それは「考えるということ」への欲求

上に挙げたものをひとまとめに表現しますと「考える楽しみ」ということになると思います。
通常の写真撮影でも私達は「まったく何も考えずにシャッターを切る」ことはありません。
「何も考えずに撮りました」というのはモノの例えであって、実際には何かに心を動かされて、それを撮ろうという意思が働きますよね。
フォトストーリーでは更に「前後の写真との関連性」と「位置関係」と「見せ方」が重要なファクターとして加わり、
「このマス目にはなにが入るとシックリ来るのか」という命題がまるでパズルのように私達に襲いかかってくるのです。

オリンパスのトークライブで写真家清水哲朗氏が「写真を分かっている人ほど、使っていて考えこむ機能だ」と説明していました。
私が「写真を分かっている」かは置いといて、使っていて考えさせられる機能である点は間違いありません。
極論かもしれませんが「フォトストーリーは知的好奇心を加速させる新しい提案」と言ってもいいのではないでしょうか。
EP539540

フォトストーリーが楽しい機能であるということが伝わっていればいいのですが。
次回は後編です。フォトストーリーの「これはちょっと微妙だな」と思う点を挙げていきます。
ただ、それは批判や否定的見解ではなく「楽しさゆえの弊害」とでも言うべきものを書くことになるでしょう。
フォトストーリーの魅力を失わせるような内容にはならないことをあらかじめお伝えしたいと思います。
またぜひお立ち寄りください。よろしくお願いします。
m(_ _)m

今回の
撮影機材
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